「空き家=宝物の掘り起こしプロジェクト」報告イベント@長野


昨日、長野市の信濃毎日新聞社で行われたシンポジウム、「空き家=宝物の掘り起こしプロジェクト」報告イベントを聞きに行ってきた。

ここでの主役といえる「さかさま不動産」は、昨年富士見町での事例も見つけて、気になっていたのだ。

ちなみに、「さかさま不動産」とは、語弊を恐れず超簡単に説明すると……。

普通、不動産屋さんというと、店先にいろんな物件情報が貼ってあって、借りたい人や買いたい人はそこから物件を選ぶわけだけれど。

「さかさま不動産」では「私はこんな夢があるけれど、その実現にはこんな家が必要だ」という借主(候補)の情報があって、貸主(オーナー)さんは、「この人だったら、ウチを貸してもいいかな」とチョイスする。つまり、その名称のとおり、逆転の発想から生まれたマッチングサービスなのだ。


これは単なる思いつきではなく、「土地の情報を公開したくはないが、人によっては貸してもいいと思っている」というオーナーさんが多いという情報が背景にあるという。

また、彼らの本拠地といえる名古屋で、いくつもの空き家を使って村のようなコミュニティを作っていたところ、「君たちだったらウチも貸したい」というオーナーさんが現れた体験も下敷きになっているとか。



さて、講演で印象に残っていることを、いくつかかいつまんで。


まず、「さかさま不動産」の事業母体である株式会社On-Co の福田ミキさんによる PR(パブリック・リレーションズ=社会とのつながり)の話から。

「自分たちの存在意義→どんな社会を目指すのか→その実現方法」を考えること。

そもそもの始まりに、このような思考の土台があることが強みに繋がっているのだろうなぁ、と。これがあるから、後に出てくる話も説得力が増すのだろう。


続いて、さかさま不動産の「長野支局辰野町営業所」の運営を手掛ける 一般社団法人◯と編集社 の赤羽考太さんからは、メディアと連携してオーナーさんに想いを届けること、その方法などについて、信濃毎日新聞とタッグを組んで行ったことの報告をはじめとする話があった。

確かに、オーナーさんは高齢者が多いから、紙媒体を主体としないと厳しいところもある。


辰野町の地域おこし協力隊として空き家バンクの運営を担当する鈴木雄洋さんからは、地元との関係の作り方について、ご自身が奮闘された話を伺う。

辰野町の空き家バンクはこちら↓


土日に休業する(!)地元の不動産業者の代わりに、自分が土日のその業者の物件紹介を手伝ったりとか、移住希望者には自身のプロフィールをがっつり書いてもらうようにしたとか(ここは「さかさま不動産」にリンクするかも。情報が具体的であればあるほど、物事が動く)、これも非常に参考になった。


そのほかにも「地域のプレーヤーとは?」など、さまざまな話があったが、いずれそのうち、機会があったら……。


とにかく。

ここで得たヒントの数々を、自分はどのように生かすのかが大事なところで。


やはり、まずはどのような社会(大袈裟なものでなくとも、自分の周りの環境とか)に自分はしたいのか、考えていくことから始めるのがいいように思えた。


ここのところ、富士見町と笹原を往復する毎日が続いていて、ちょっと自分の中で閉塞感が漂い始めていたところ、今回のシンポジウムだったり、その前日には岡谷のまち歩きに参加した(これについてもいずれ……)のだが、いい刺激をいただいた。

私の椅子はどこに

2022年11月に50歳を迎え、第二の人生が始まり、これからいろんなことがドラスティックに変わっていく――。 なんて、勝手に思い込んでいるフリーランス山﨑の、日々雑感です。 編集やライティングの仕事に加え、2021年に宅地建物取引士の資格を取得したので、仕事にも幅を持たせようという話、 あるいは趣味のギターやエンタメなどの話をしていきます。

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