『ビートルズ作曲術』と、ロックダウンの思い出


ここ数年、音楽関係の著者インタビューの連載を担当させてもらっているのだが。

先月の本は、野口義修さんの『ビートルズ作曲術』だった。

ビートルズといえば、AI の力も借りて制作された最後の新曲〝Now and Then〟が発表されたこともあり、世間的にもかなり注目度の高いトピックだ。

実際、昨年から本書の制作はスタートしていたが、今年6月にポールがこの曲を年内にリリースするとアナウンスしてから、リリースまでに間に合わせようとペースを上げて、何とか間に合わせることができたという。

野口さんは、本書の前に『ポール・マッカートニー作曲術』『ジョン・レノン作曲術』を書いており、つまりこれが“ビートルズ三部作”の締め括りで、前2作で触れなかったジョージ・ハリスンとリンゴ・スターの曲作りにも触れているほか、ビートルズの 4人、加えてプロデューサーのジョージ・マーティン、レコーディング・エンジニアのジェフ・エメリックも含めた“チーム”としてのビートルズと彼らの友情にスポットが当てられている。

そういった、野口さんの溢れんばかりの“ビートルズ愛”がこれでもかと語られているのに、音楽理論の本としても成立しているのが、本シリーズの最大の特徴だといえる。


さて。

今回、私が野口さんに話を伺ったのは 2回目で、前回は 2020年の『ポール・マッカートニー作曲術』のときだった。

当時は新型コロナウイルスの影響でロックダウンが始まったばかりで、対面の取材ができなく、電話インタビューを行って話を聞いた。

今回の取材に際し、前回の話の内容を振り返ろうと当時の号の資料を入れたフォルダを開けると、当時の記憶が鮮明によみがえってきた。

ロックダウンに入ったばかりの頃は、月刊誌も取材ができなく、私も過去に取材したネタで、なんとか新たな記事に作り直せそうなものを拾い集めては、メールで追加取材したりして、やっとの思いで一冊を作り上げていた。みんな必死だった。

一方で、いわゆる“おうち時間”を楽しく過ごすため、ギターの練習を動画に撮ったりして、ヘタレな演奏を世間に向けて公開するという無謀な試みも当時始めたのだった。。


そんなことを思い出し、野口さんが最初に聴いたときに涙したというポールの〝No More Lonely Nights〟を、弾いてみたり。

まぁ、相変わらず無謀な試みを凝りもせずに続けているわけなのであった……。


さておき。

その媒体はヤマハの『月刊ピアノ』だったのだが、野口さんは自らの YouTube チャンネルで、インタビューが掲載されるタイミングに合わせて、「ビートルズとピアノ」というテーマで動画を上げてくださった。マメな方なのだ。


ちなみに、『月刊ピアノ』はこちら。


そう、ここまで読んでいただいた方はお気づきだと思うのだが。

私はピアノの雑誌を手伝っているくせに、ギターにうつつを抜かしている不届き者、なのであった。。

私の椅子はどこに

2022年11月に50歳を迎え、第二の人生が始まり、これからいろんなことがドラスティックに変わっていく――。 なんて、勝手に思い込んでいるフリーランス山﨑の、日々雑感です。 編集やライティングの仕事に加え、2021年に宅地建物取引士の資格を取得したので、仕事にも幅を持たせようという話、 あるいは趣味のギターやエンタメなどの話をしていきます。

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