今月の仕事のハイライトは、アメリカのジャズ・ギタリスト、ジュリアン・ラージのインタビューだった。
スケジュール的にいうと、なかなかにタイトで、取材してすぐに原稿を書いて送り、各所の確認を経た後、速やかにアップされた。
慌ただしかったけれど、逆に言えば、手離れがよかったともいえる。
ジュリアン・ラージは、記事にも書いたけれど、ジャズ・ギタリストの範疇にはとどまらない幅の広い音楽性が最大の魅力だと思う。特にブルースやカントリーをはじめとする古いアメリカの音楽の取り込み方が素晴らしいと思う。
私にとって、ジャズ・ギターが好きというか、ジュリアン・ラージのギターが好きだともいえるのだ。
しかし、彼自身はジャズ・ギタリストであることに誇りを持ち、こだわりたいと言っていた。
さて。
今回は、指定の文字数はあったのだが、それに対し、取材時間が圧倒的に足りなかった。
もちろん、当日はほかの媒体での取材もあって押してしまい、もとから多くなかったのが、さらに少なくなってしまったのだ。
これはやばい。
インタビューの原稿は、いわゆるQ&A形式と、地の文の中でインタビュー対象の言葉を紹介していくスタイルがある。自分的には、Q&A形式のほうが原稿として仕上げやすいけれど、地の文のほうが内容の方向性をつけやすかったりするし、地の文でいろんな情報を紹介することで、文字数も稼げる可能性も出てくる。そんな使い分けをしている。
今回は聞ける話も限られるから、地の文にするのが安全策かな、と思っていたところ。
結果として、指定は「Q&A形式で」とのことで……。
これはなかなか厳しい状況になった。
ということで、ぶっちゃけ聞きたいことはもっともっとあったけれど、とにかく必要と思われることを矢継ぎ早に聞き、深追いもせず(例えばエレキよりもアコギのほうが……というくだりは、もっと大きなトピックにできたはずである)、なんとかカタチにできるかも、というところに時間ギリギリで到達。
文字数は、事情を考慮していただき、指定に少し届かなかったけれど、なんとかお許しいただき……。
なんとかなった。ふぅ。。
あと。
記事がなんとかなったことの副産物的に。
これまで、Q&A形式の原稿で、自分の質問に相手が「それ、いい質問だね!」とか「よく気が付いたね!」という類のことを言ってくれたのを、そのまま書くのはなんか手前味噌というか、自分ひとりで悦に入っているような気がして、まぁつまりはカッコ悪いような気がして、そう言われても原稿にはしなかったのだが、今回はそんなこと考える余裕がなかった。
そして、そんなのも、ちっぽけなこだわりでしかないのかもしれない、と思ったのだった。
いいじゃん、そう言ってもらえたのだったら。
そういうことだ。
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