「埋め草」でのオープンマイクはセッションに


「こんにちは~」

と、自動ドアのようで実はそうでない扉をズズっと開けると。

そこには、誰もいなかったのである。

だけど、もう店内の準備はできているみたいだし、店主も何か所用で外しているのだろう。

ということで、とりあえずひとり準備を黙々と進めるのであった。


先週、富士見駅前の「よはく酒店」に出かけてみて、教えてもらったレンタルスペース、「埋め草」に行ってみたらその日はライブをやっていて、そこで土曜日にオープンマイクがあることを知ったのだ。

そして、店主がいなかったら自分でなんとかする場所らしいということも。


そんなわけで、コロナ禍の 2020年以来、3年ぶりにギグケースを背負って家の外に出て、トコトコ歩いて約10分、開始時間ちょうどぐらいに店に着いたのだ。


とりあえず、アンプにギターを繋いじまおう、音も出してしまおう、みたいな感じでやっていたら。

「すみません」と、何か聞きたい感じの女性の方が入ってきた。

「いや、私もさっき来たのですが、誰もいないんスよ」と自分が怪しい者ではないことをアピールしつつ、店にいる者としてとりあえず対応したら、「あなたのことを信じないわけじゃないけれど」と彼女は店の奥(レコード店になっている)まで行って店主を探し、「やっぱりいないわね」と言い残して出ていった。


音出しした後は、マイクの調整。座って弾き語ろうと思うので、それ用に合わせたところで、店主が登場。

「オープンマイクをやるのは今回は初めての試みなので、誰か来るのか来ないのか、まったくわからないんですけどね」


果たして、最初の一時間ぐらいは、誰も来なかったのである。

よって、ずっと私が弾き続け、さながら練習の様相を呈してしまったのだ。

会場としては由々しき事態なのだが、私的にはこれで気持ちと身体がほぐれたというか。

ただ、一時間弾き続けるのは(店主しかいないとはいえ、ずっと違うことを弾き続けるというのは)かなりの修行だったのである。

そのうち、延々と弾き続ける私を見て哀れに思ったのか、途中から店主もパーカッションで参加し、今度はセッションのような展開に。


と、そこで。

待望の参加者!? 向かいの店の主が二胡を持って登場。

「二胡聞かせてください!」とお願いするも、「何か弾いてください、合わせます」とのことで、セッションは続くのであった。

実は、妻も東京にいるときに二胡を習っていて、先月、最後のレッスンのときにカノンをみんなでやったのだ。

それで今回も、とも一瞬思ったが、彼はもっと二胡っぽいというか、民謡っぽい歌い方だった(つまりカノンみたいのは合わないかと思った)ので、とりあえずは Gメジャー、次に Gマイナーで適当に(カチッとしない感じで)弾いてみた。

そのうち店主もアコギを持ってきて参加。そのうちに二胡の店主は「自分の店を開けなきゃ」ということで帰り、アコギの店主は「さっきの Gメジャーのやつ、面白かったね」ということで、今度は 2人で延々と続ける。

そうして 5時を過ぎたあたりでまた何人か現れ、様子を見ては少し話をして帰る、みたいな展開が続き、6時からは用事があるので私が離脱、ということに。


かくして、私の 3年ぶりの外での演奏は終わったのであった。


なんというか、無観客でオープンマイクというよりはゆるいセッションという感じだったが、自分にとっては感覚を掴むのにちょうどよかったというか、ちょっぴり手ごたえを感じた時間だった。

次は来週にまたあるようなので、またギター背負って出かけるか……。

次はもっと違う曲(進行)を覚えていこう、と目標もできたのだった。


ちなみに、ギターは以下の動画で使っている「ワンマスター」を持って行った。

店のアンプはグヤトーンで、これが結構いい音がしたのだけど、いちおう自分で用意したエフェクターも使った。


私が帰る頃には、タイの弦楽器、ピンも出てきてなかなかディープに盛りあがっていたのであった。


ちなみに、最初に店にやってきた女性は、今度「埋め草」で催される落語の会に興味があって聞きたかったらしいのだが、向かいの古書店で聞いたからもう大丈夫、とのことであった。

私の椅子はどこに

2022年11月に50歳を迎え、第二の人生が始まり、これからいろんなことがドラスティックに変わっていく――。 なんて、勝手に思い込んでいるフリーランス山﨑の、日々雑感です。 編集やライティングの仕事に加え、2021年に宅地建物取引士の資格を取得したので、仕事にも幅を持たせようという話、 あるいは趣味のギターやエンタメなどの話をしていきます。

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