コーヒーの香り、そして味 ―― こうして 5月も過ぎていく。


先週は、妻と共に信州に行き、笹原の家での作業を少しでも進めるつもりでいた。

出発する当日、その朝も出かける準備を進めていたのだが。

私が、いまいち体がだるいので、、熱を測ったら結構あって、「こりゃあ大事を見て今回はキャンセルしといたほうがいいか」ということになったのだった。残念……。


そしてさらに。

「念のためにやっておこうか」と試した新型コロナウイルスの抗原検査が。

あろうことか、陽性の疑いが出てしまったのである。

まさに「忘れた頃に」というフレーズしか思いつかない結果となったのである。


2020年から始まったコロナ禍で、ここまで慎重に慎重を期して行動し(つまり人の集まる場所には可能な限り行かず)、仕事がなくなってしまった際には宅建の勉強をすることでなんとか乗り切り、そして迎えた新型コロナウイルス感染症の 5類感染症移行。

これから夏に向かって世の中も開放的な空気が満ちてくる中、「遂に一度もかかることなく乗り切ったぞ!」的な気分になってしまったのも事実。

まぁ要は、油断しちまったな、ということで……。


さておき。

熱が下がらないのと、だるくて仕方ないので、最初の 2~3 日はとにかく寝込む。

救いは、食欲はなくならなかったことと、もともと信州に行くことにしていたため、仕事を入れていなかったこと。妻も同様だったので、お粥を作ってもらったりして有難かった。

※ こんな時じゃないとプリンとか食べられないぞ……(猛爆)。


そして。

3日目ぐらいで熱も下がってきたので、「お、もう大丈夫かな」と思い、自分でコーヒーを淹れ、朝にヨーグルトを食べていたのだけれど、何かがおかしい。

コーヒーを口に含み、それが何か、気づくのだった。


げっ、、

匂いと味がしねぇじゃん……!!


大丈夫なのか、コレ……??

新型コロナの特徴的な症状で、まず匂いと味がしないことで「もしや?」と思い、、検査した結果~、みたいな話がたくさんあったが。

いざ自分がこうなると、滅茶苦茶怖い……。


しかも。

陽性(の疑いがある)と分かってから、すでに何日か経ってからこの症状が出てくることは、どういうことなのだろう。

思い返してみると、最初の 2日間は 39度に迫ろうかという高熱で、それが徐々に下がってきて 36度台になり、ようやく治まるかと思ったところで、コレである。

そしてこの後、再び熱が上がりはじめ、その後数日間、37度台が続くのであった。


話を味と匂いに戻すと。

しかし、よくよく自分で観察(?)してみると、まったく感じないわけではなく、本当に腹の底まで思いっきり空気を吸い込むと、なんとか匂いを感じられることがわかった。つまりは、匂いを感じ取る力が、弱くなっているのだろうか。

また、味覚のほうは、匂いを「強く吸う」ことに変わる動作が結局見つからず、どんなに頑張ってもというか、もう朦朧とする意識の中で、「こういう味なのだろうな」と想像しながらもぐもぐと噛んでいくしかなかったのである。


こうしている間に。

妻も高熱に苦しみ、、お互いに別々の部屋でゲホゲホいいながら寝込みつつ、彼女は食欲が出ないというので、自分だけチャチャッとゴハン作って食べたり(しかし、味はしない……)、時には彼女も一緒に食べたり、みたいなことを繰り返しているうちに、気が付けば早くも一週間以上が経ってしまったのである。

いや、、これ、恐ろしい。。

いま、こういう状態になるのでもこの騒ぎ(?)なのに、2~3年前の、緊急事態宣言が出ているような時期だったら、それはもう想像を絶する恐怖だったに違いない。

今さらながら、思いを巡らせて、戦々恐々とする日々は今日まで続いている。


そして迎えた今日。

朝、いつものようにコーヒーを淹れたのだが。

もう、コーヒー豆を挽いている最中に、変化が訪れた。


なんとーー。

香りが、するのである。



もう、砂漠の真ん中でオアシスを見つけたというか、周りが 360度すべて水平線しか見えない海原を何日も漂流し続けた後にようやくはるか彼方に陸地の影を見つけたかのような。

もう、それぐらいの感動なのである。

※ もちろん、どちらも体験したことなどないのだが……。


朝ごはんの、味がする。

もう、ただそれだけのことなのに、ものすごい光明感なのである。


しかし。

まだ熱は下がらないし、改めて抗原検査をしてみたが、相変わらず陽性の疑いが出たままだ。


こうしている間にも、笹原の家は日々風にさらされていく。

5月はあっという間に終わってしまいそうだ。

高原の夏は短い。

なんとかせねばいけないことに変わりがないのだが、まずは陰性になるのを待たねばならぬ。


もし、晴れて陰性になったとして。

実はこういう時こそ、穂高養生園に行くのがいいのかもしれない。


4月に訪れたときに、テラスにて。




ついでに。

20年ぐらい前によく聴いていた、The Actual Tingers というバンドの〝End of May〟という曲の弾き語りにチャレンジしようとしていたのだが、どうやら 5月には間に合わなそうである。。



私の椅子はどこに

2022年11月に50歳を迎え、第二の人生が始まり、これからいろんなことがドラスティックに変わっていく――。 なんて、勝手に思い込んでいるフリーランス山﨑の、日々雑感です。 編集やライティングの仕事に加え、2021年に宅地建物取引士の資格を取得したので、仕事にも幅を持たせようという話、 あるいは趣味のギターやエンタメなどの話をしていきます。

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