築100年の家が持つ可能性について


「あの笹原の家、買ったんだ」

関越自動車道の上里サービスエリアでコーヒーを買い、東京の渋滞に備えようとしていた時に、義父からの着信があったことに気づいたのである。今年8月のことだ。

私はといえば、研究と称して小諸に今年オープンしたワーキングスペースを訪ね、上田に泊まり、東御で山が見える温泉に入ったりなどした後、東京に戻る途中だった。


義父は、20年ほど前に湘南から長野県諏訪郡富士見町に移住し、不動産会社「カントリーボックス信州」を営んでいる。

私も宅建を取得したので、何とか手伝いをしたいが、東京での仕事も抱えているので、そのバランスをどう取って、どのような形で貢献ができるのか。思案する毎日である。


今月、妻が中心になってウェブサイトをリニューアルした。

まだ古いコンテンツも残っているので、今後も随時更新をしていく予定。

「カントリーボックス信州」は、空き家を中心に地域に眠る物件を掘り起こし、仲介を行っている。富士見町は移住の受け入れに力を入れており、JRの駅舎内に昨年オープンした移住相談所「ウツリスムステーション」も活況を呈しているのだが、最近はそちらとの連携も忙しい。

前置きが長くなってしまったが。


「カントリーボックス信州」が昨年あたりから扱っていた物件のひとつに、茅野市の笹原という集落にある小さな古民家があった。恐らくは築100年ぐらい。部屋は四つの典型的な「田の字型」の間取りを持つ住宅だ。

これは昨年6月に訪れた時のもの。夏には草刈りもした。

笹原は蓼科の麓に位置し、蔵が多く残る昔ながらの集落の姿をとどめている。山登りの拠点にもなるし、付近に温泉も多くあるため、市も観光資源として注目しているようである。

ちなみに、「カントリーボックス信州」は過去にこの地域での物件を何軒も扱っており、義父は集落への移住者が形成するコミュティの重要な一員だ。

で、その家なのだが。

その後、さまざまな事情が重なり、義父が自ら購入することになったのである。

そしてそれを「カントリーボックス信州」の物件として販売するのではなく、何らかの形で運用したいというのが彼の意向だ。


みんなでアイデアを出し合った結果、現状はこんな感じでまとまりつつある。


●集落の暮らし、および古民家での暮らしが体験できる一棟貸しの宿

●集落の人々が利用できるオープンキッチン

●ちょっとした日用品を扱う小商いの店


家は、これまでに残置物の片付けを我々がセルフで行い、それでも捨てきれないものを、今月、業者に引き取ってもらう。


家の中が本当に空っぽになったとき、何が見えてくるか。

何年も人が住んでいなかった家に、新たな生命が宿る瞬間に放つ光――。


楽しみである。

家の整理の模様とか、そこで感じたことなどは、これから書いていこうと思う。

私の椅子はどこに

2022年11月に50歳を迎え、第二の人生が始まり、これからいろんなことがドラスティックに変わっていく――。 なんて、勝手に思い込んでいるフリーランス山﨑の、日々雑感です。 編集やライティングの仕事に加え、2021年に宅地建物取引士の資格を取得したので、仕事にも幅を持たせようという話、 あるいは趣味のギターやエンタメなどの話をしていきます。

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