いま挙がっている3つのアイデア ―― 古民家再生について②


笹原の家の運用について、現在挙がっているアイデアについて、考えていきたい。


●集落の暮らし、および古民家での暮らしが体験できる一棟貸しの宿

●集落の人々が利用できるオープンキッチン

●ちょっとした日用品を扱う小商いの店

まず、そもそもとして。


カフェ、というのはないな、と(笑)。


いや、結果的にカフェ的な要素が付随することになるのはいいのだが、最初からカフェを目指すことは難しいのではないか、ということで……。

別荘地に近いところには、道沿いにカフェを何軒か認めることができるのだが、笹原の家は集落のど真ん中にあるので、集落の方々はおろか、外からわざわざコーヒーを飲みにやってくる人がいるとは思えない。駐車場のスペースだって確保できない。

それに、まずは集落の人たちのための施設であるべきというコンセプトを優先させたい。

現地で作業していて、通りすがりの集落の方から、「あら、何かお店ができるの?」みたいなことを訊ねられることが少なからずあった。周囲から注目されているし、やはり集落にとってプラスに働くものを作るべきだ(カフェが集落にとってプラスではない、ということでもないかもしれないが……)。


前置きが長くなった。

まず、最初の「一棟貸しの宿」について考えてみる。

これは、旅行者に宿泊してもらうのはもちろん、「カントリーボックス信州」のお客様(移住希望者)に宿泊していただく、という意図もある。

ここで集落の暮らしや、古民家での暮らしを体験していただくのである。

何泊かしてもらえれば、地域の様子もわかるし、現地の物件内覧も余裕をもって行うことができるはずだ。前述のように、集落の方も通りかかるので、彼らと話をすることもできるし、自分が集落での暮らしに向いているのか否か(加えて古民家で暮らすことについても)、改めて確認できる体験になるのでは、というのがひとつのねらいだ。

考慮すべきは、富士見町と茅野市、自治体をまたぐことになることで、そこは慎重に事を進めるのがいいような気がする(杞憂に終わるのに越したことはないが)。


次に、「オープンキッチン」。これは義父のアイデアだ。

集落では「えごま」をはじめ、さまざまな農産物が採れる。外部の人間が手伝いとして収穫に参加できることもあるようだ。ここで収穫祭的なものもできたら面白いかもしれない。


そうだ。

書いていて、思い出した。

もう20年ほども昔、宮城県のある町の農家の女性たちに伝わるならわしについて取材したことがある。

農家というのは、休みがない。特に女性は、農作業に加えて毎日の家事もある。だから本当に休みがない。そこで、年に一日、女性だけで集まって食事を楽しむ日を設けたのだという。会場になる家や料理する人間は持ち回り。そして参加者は普段なかなか味わうことのないよその家の味や調理法を学び、後世に伝えていくのだそうだ。

そんなイベントの会場に使ってもいいのかもしれない、とふと思った。

まぁ、いまこの時代にそんな需要があれば、の話だが……。


最後に「小商い」。これは私と妻からの提案だ。

理由については想像がつく方もいるかと思うが、単純に、近所にそういう店がないのである。いちばん近いコンビニに行くには、車を10~15分ほど走らせる必要がある。

加えて、10年ほど前にアイルランドを取材した時に、小さな村のパブではビールを飲ませるだけでなく、石鹸や調味料などの日用品も売っているという話を聞き、実際にその現場を見たことも、アイデアの源になっている。

つまり、集落のパブ的な存在になるのだ。それだったら、カフェもあり、だ。

集落の方相手だったら、歩いて帰ることができるから、酒を出すこともできるだろう。


そんな感じで、今回はこの辺で。

こうやって書いていくと、なかなか可能性があるではないか……。

庭には、物置小屋もある。これをどうするかというのも、これから考えないといけない。

私の椅子はどこに

2022年11月に50歳を迎え、第二の人生が始まり、これからいろんなことがドラスティックに変わっていく――。 なんて、勝手に思い込んでいるフリーランス山﨑の、日々雑感です。 編集やライティングの仕事に加え、2021年に宅地建物取引士の資格を取得したので、仕事にも幅を持たせようという話、 あるいは趣味のギターやエンタメなどの話をしていきます。

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